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Etna Rosso 2018 IDDA(GAJA・GRACI) [毒味または晩酌]

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Etna Rosso 2018 IDDA(GAJA・GRACI)
エトナ・ロッソ 2018 イッダ(ガヤ・グラーチ)


そのエトナ・ロッソと共通のエトナ山の頂上から‥をモチーフとした渦のような、蜘蛛の巣のような、幾何学模様とも捉えることのできるラベル。この2017年がセカンドビンテージとなり、2018年は二年目になりますね。2017年と2018年でラベルの紙質とプリントが違い、よりGAJA色が強くなっています。コルクは最近では珍しいお尻と頭にビンテージの刻印のある生コルクで4,5cm、コルク自体の質はなかなか良いですね。ザルトのボルドー型(あたしの中では大き過ぎないブルゴーニュ型)。ちなみに表記のアルコール度数は2017年と同じく14,5度となります。

色調は淡く、エッジに少しオレンジが挿す赤。14,5度とアルコール度数の高さはグラス内壁を垂れる脚にも。イチゴのフレーヴァは、フレッシュさとコンポートにしたもののハイブリッド。色の赤黒いイチゴ、アメリカンチェリーのシロップ漬け、スイカのような少し青さ、瓜っぽい香りが少しありますね。赤いメロンがあれば、そういう感じ。エトナらしい火山性土壌を感じさせる少し焼けたミネラルの風味も感じますが強くはありません。

口に含みますとチャーミングなイチゴの深い旨味があり、奥深い。色調は淡いですが、果実本来のボディ感と、アルコール由来のボディ感、そして両方の甘味を感じます。穏やかな酸味があり、キメ細かなタンニンも丸い果実味に溶け込んでますね。果実の香味はネレッロ・マスカレーゼそのものですが、この奥行きと深さはさすがです。これがイッダのスタンダードライン、もちろん、いいお値段ですが、非常に満足感がありますね。独特のオリエンタルな果実とスパイス、ライチや八角、シナモンの風味がありイチゴを中心とした果実味に複雑さを与える。

正直、ほっとしている。価格を考えると旨くて当然なんだけれども、価格を思うとそうでもなかったらどうしようと少し心配していたが、心配無用。イッダのエトナ・ロッソ、おいしいです。ちゃんと個性も感じます。継ぎ目や、イガイガとしたような要素はなく抜栓初日の一杯目ですが、すでに丸みがあり、スルリというか、蒟蒻畑とつるんとしたようなクリアな厚み、ボディのあるものがつるんと通る感じ(わかるかな)。アルコールの高さも感じているが、嫌な感じじゃないね。そのアルコールや果実味、スパイスに甘味を感じるんだけれども、どんどん、渋味や、塩気も出てきた。赤なんだけど辛口。そして余韻が長くなってきたねー。これもすばらしい。

いい意味で、後出しジャンケンなので勝てる感じもある。産地としては歴史あれど、市場に受け入れられたのは近年‥と、思うとやはり新しい産地、その土地で造り続けてきた生産者がどうして、近年の地位まで上げれなかったのか、マルク・デ・グラツィアや、アンドレア・フランケッティが参入してやってきたこと、それに追随する州外と、州内の生産者達、そして、市場をよーく見て、そう、後出しジャンケン、間違いなく勝てる。勝ち方を知ってる。

策士やな。

終盤の酸味にどこかブラッドオレンジのような苦味を伴う赤く濡れた柑橘があるね。あまりにも大雑把かもしれないが、イッダのビアンコは、ピエモンテにおけるガヤのロッシ・バス(シャルドネ)や、アルテニ・ディ・ブラッシカ(ソーヴィニョン)と品種特性は違うんだけれども「てい(体)」や表現が共通している。では、このイッダのエトナ・ロッソは?その品種特性から、ピノ・ノワールとも例えられるネレッロ・マスカレーゼ、なら、ガヤのネッビオーロっぽいのかと思ってたんだけれど、現時点では‥「カ・マルカンダ」。そう、ガヤのボルゲリプロジェクトであるカ・マルカンダに方向性は似てるかもしれない。いい意味でモダン、新しさ、「ナウ」なんです。

まあ、めっちゃ語弊あるけどな(主観やから語弊だらけやで)。

実はすでに二杯目を飲んでるんだが…。うーん、完成度高い。リリース仕立ての抜栓当日でこれだけ角取れも感じて、閉じは感じず、まとまってて、そしておいしくって‥。もう伸び代ないんじゃないか?と思うけれども、まだパイオニア達の熟成ポテンシャルの検証もできてないのに、どうすんだ‥まあ、今のこのおいしさを存分に楽しめ‥そういうことです。

二日目です。初日は予想以上にどっぷりだったので、ザルトのブルゴーニュ型にしてみましょう。初日に負けず劣らずのネレッロマスカレーゼの果実香がしっかり開いてますね。果実香にはやっぱりシナモンなどのスパイスを感じるし、エトナの焼けた岩のミネラルがある。口に含みますと、よりまとまり、深みと旨味を増しました。渋味に近い部分に苦味があり、そこに近い部分にスパイス。酸味もしっかりあるが溶け込みもいい。余韻も長いし、大きくって深い。アルコールが浮き足立つことはく、あくまでも重厚さやホディに繋がってるのも上手い。確実に旨いよね。他のスタンダードクラスよりも、酒質(も、価格も)は上だと実感する。こうなるとワイン単体での満足感も尋常じゃないな。食べ物が思い浮かばないわけではないが、なくてもいい(あればなおよい)。ザルトのブルゴーニュ型だと大き過ぎるかなと思ってたんだけど、ぜんぜん大丈夫。

三日目はザルトのボルドー型です。イチゴが一番前に出てきました。果実の甘味ある香味はよりなめらかに、アルコールの甘味、ボディ感はそのままに。高いアルコールを楽しみながらもスムースに飲めてますよ。うん、うんまいですね。三日目は酸味も少しクッキリしてきますが、まだまだ果実のボリュームが大きい。スパイスとともに、いい刺激になっています。想像以上にエトナらしいし、現代的なおいしさが全面に出たスタイル。やっぱ旨いんだよなあ。いやあ、マイッタ、マイッタ。

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