遊び心から生まれるワイン [毒味または晩酌]
Improvvisazione No1 2009 Riecineインプロッヴィサツィオーネ No1 2009 リエチネリエチネの公式サイトTOPページからはリンクが張られていないようですね。現当主のショーン・オカラガンは、ドイツのガイゼンハイム大学で醸造学や栽培学を学んで、醸造家としてのキャリアもドイツが最初。その後、たまたま余暇で(たぶん)訪れたトスカーナでリエチネの前オーナーのジョン・ダングリーと出会い、チエチネを引き継ぐことになります。実はご両人ともにイギリスのご出身だそうです。1991年にリエチネの醸造チームに加わり、1992年にはそれを引き継ぎますが、経営の立て直しなど紆余曲折もありました。経営が安定してからの2012年には1998年に建設した醸造所をさらに増設するなどの投資も行っています。2013年にはナンブロ社製のセメントタンクの導入や足踏みでの圧搾、ビオにも傾倒しつつありますが、進化の途中ですね。2010年にはRiecine IGTを初リリースしましたが、2009年が初ビンテージとなるワインがこのインプロヴィッサツィオーネNo1なんですね。"Improvvisazione"をグーグル兄さんに直訳して頂くと"即興"と訳されます。ちょっと造ってみた‥な実験的ワインのようで、バックラベルに瓶詰め業者としてリエチネの名前の記載はありますが、表ラベルにはリエチネの「リ」の字も記載されていません。あくまでもショーンの興味の趣くままな実験的ワイン。このNo1はピノ・ノワール。続くNo2はメルロで醸したそうです。No3はシラーの予定だったそうですが変更になり、リエチネがリリースしているパッシートであるセバスティアーノに使用されるトレッビアーノとマルヴァジアを使用したスティルの白ワインをリリースする予定とのこと(ビンテージ不明)。No2のメルロは自社畑からのものだそうですが、No1のピノ・ノワールは醸造所近くにあるブドウ栽培農家が栽培しているピノ・ノワールだそうです。醸造所へ続く道にその畑があり、ショーンはドイツではブラウブルグンダー(ピノ・ノワール)も手掛けていたことから、そのブドウ栽培農家のおじいさんに頼んで2009年の一度だけお隣さんのピノ・ノワールでワインを醸造してみた‥な作品になります。遊び心があるのはいいですね。いつも思うのですが、モンテヴェルティーネもオヤジの代は遊び心があったんだけど、息子の代になってからちょっとつまんないな。イレギュラーなワインをたまーにリリースしてくれると嬉しいんだけども。ショーンはこのシリーズでは本気で遊んでる感じですね。実験的なワインとはいえ、ちゃんと実験にかかったコストを回収するためにリリースもしているようで(笑)、実はこのNo1は数年前に日本市場にも数十本入荷があったそうなんです。価格も価格ですし(希望小売価格10諭吉外税)売るのに相当苦労したとか‥。飲んでみたかったなあ‥なんて担当さんに話してましたら、なんと1本だけ在庫が見つかったと。そのピノ・ノワールを栽培するブドウ農家さんがどこにブドウを卸してらっしゃるのかは謎ですが、うーん、まあトスカーナのピノ・ノワールかあ、あまり期待はしていないのですが‥あくまでも実験的なワイン、この2009年のみの醸造でもったいない気もしますが、遊び心を持って実験的に飲んでみようと思います(うきうき)。
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