Brunello di Montalcino Riserva 2010 Castelli Martinozzi [毒味または晩酌]
Brunello di Montalcino Riserva 2010 Castelli Martinozzi
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ 2010 カステッリ・マルティノッツィ
そのロッソ・ディ・モンタルチーノ2015年は2,000円斬りの価格も相まって絶好調。この勢いで、限定輸入されているブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァのしかも2010年も!な毒味でしたが‥。
まずはDOCG法のおさらい。
アンナータは、法定熟成期間が4年、そのうち木樽での熟成は最低2年。ブドウ収穫の年から5年目の12月31日までは消費できない。
リゼルヴァは、法定熟成期間が5年、そのうち木樽での熟成は最低2年、瓶内洗練最低6ヶ月。ブドウ収穫の年から6年目の12月31日までは消費できない。
とある。実は樽熟成期間はアンナータでもリゼルヴァでも最低2年は同じ。もちろん、生産者や銘柄によっては樽熟成を3年以上費やしている場合もあるが、リゼルヴァの規定を満たしていれば、リゼルヴァの表記が義務づけられているわけではなく、リゼルヴァの表記をしていない生産者、銘柄もある。結局は、個別銘柄のスペックを確認しなければならない。
実は個人的には、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(以下BDM)に置ける、アンナータとリゼルヴァの違いをそう実感していない。キャンティ・クラッシコと、キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァの方が、しっかりとキャラクター分けができているという印象。
BDMに置けるアンナータとリゼルヴァの違いは、熟成期間が長いリゼルヴァの方がお値段も高いし、格上に感じるし、おいしいんだろうなあ(ぽかーん)、正直そんなイメージがあるかと思う(あたしもそうだ)。しかし、先にも書いたが、リゼルヴァの表記に関しては規定を満たしていれば‥なだけで、実際にそのBDMがリゼルヴァ相当なのかどうかは個別に確認したい。
また、生産者によってはリゼルヴァには、樹齢の高いブドウを使用していたり、クリュ名を名乗っていることもあるかもしれないから、何も熟成期間、リリース時期の違いというスペックだけでも判断できない。
収穫されたブドウは24度から26度に温度管理されたステンレスタンクでの約20日間のアルコール発酵とマロラクティック発酵。醸し発酵の期間中はポンプオーバーが施されるようで、基本的にはロッソ、アンナータと同じ。
違いは樽熟成にあるようで、正規輸入元の資料ではリゼルヴァの樽熟成は「新樽100%のフランス産の30hlの樽で36ヶ月以上」とのこと。対してアンナータは「40hlから70hlのフランス産の樽で36ヶ月以上」となる。樽熟成期間は同じ36ヶ月(3年)しかし、樽材が違いますね。そして、アンナータは2012年であるのに対し、リゼルヴァが2010年ということは約2年、瓶熟成期間も長いということになります。
この場合、樽材は違うが、樽熟成期間は36ヶ月と同じ。リリースが2年遅れている=より生産者の元で瓶熟成期間が取られてると思うと、実はリゼルヴァの方がリリースしたてでも飲み頃になっている可能性もありますよね。しかも、蔵出しですから健全な熟成を経ているはず。
でも、リゼルヴァの方がちょっと苦手な場合の理由がここにあるんですよね。
より熟成感が出ているのは当然なんだけれども、少し香りにネガティブな酸化を感じることがあるんです。このマルティノッツィのリゼルヴァも酸味や渋味の角取れもリゼルヴァらしいし、落ち着いたまとまりもあるんだけども、まだ2010年なんだけれども、少し錆っぽい香りが気になる。また、よくまとまってるのですが、余韻までの終盤にストンとまでは言わないが、一段軽くなる瞬間がある。いや、それほど気になるわけでもなく、おいしいブルネッロだと思うんだけれども。
最大の懸案は、価格かな。アンナータ2012年の希望小売価格は5,000円税別ですが、リゼルヴァ2010年の希望小売価格は倍の10,000円税別、もちろんBDMリゼルヴァの2010年としては、他の生産者のものと比較すれは破格だが(ちなみに、ポッジオ・ディ・ソットは35,000円税別だ)、個人的にはこの内容ならRDM2015年を複数本買いたい。
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