トスカーナはまだまだ掘り出し物がありますね。 [毒味または晩酌]
(染め上がり少ないコルク、非常に状態も良いのです。)試飲会でハッとしてグーだったモッテッローリのディカトゥム(ネイティブはどんな発音をするのかは知らない)。まだまだ掘り出し物はあるものです。いや、これまでの試飲会で経験しているはず…を思うと、掘り出し物と感じるかどうかは、タイミングもあるんですね。でも実は、残念ながら終売なんだそう。エントリーラインでパチカイアと呼ばれたローザ・ディ・ヴェンティなどは今後も継続して輸入されるはず(たぶん)。トスカーナを代表する銘柄といえば‥キャンティ・クラッシコDOCGや、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCG、スーパータスカンとしてのIGTが三本柱となるだろうか(超語弊あり)。それらを持たない生産者はいまひとつ知名度に欠け、その生産者の上級ラインってイマイチはっきり伝わらないのかもしれません(なみなみならぬ語弊あり)。このモンテッローリは、キャンティ・クラッシコDOCGエリア内の生産者ではない。かといって、カルミニャーノDOCGやモレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCG、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノDOCGでもない。ただし、キャンティDOCGの認定地域内ではあるので、キャンティDOCGも生産している。キャンティDOCGとキャンティ・クラッシコDOCGはいずれも知名度も高く有名銘柄ではあるが、残念ながらキャンティ・クラッシコDOCGの方が‥というイメージは確かにあるはず。つまり、クラッシコ認定地域ではないただのキャンティは格下に見られがちなのも否めない事実。いまだにお土産物としてのフィアスコボトルを連想してしまうしね(あのわら包みボトルにペルカルロを入れてサービスしたらどんな反応するやろな)。確かにキャンティ・クラッシコ地域には優れた生産者が多い。いや、優れた産地、地域であるからこそキャンティDOCG内に区分けされたようにキャンティ・クラッシコDOCG地域が認定されているのだから当然でもある。しかし、クラッシコではないキャンティDOCG地域にも素晴らしい造り手は確かにいる。このモンテッローリもそのひとつ。有名なDOCGに属し、それを名乗っていても箸にも棒にも‥なワインは掃いて捨てるほどある。あまりDOCやDOCGなどの所詮は原産地呼称な格付けや、知名度に囚われ過ぎると良いものを見落としかねない。というか、そういうのを救出するのも私の役目か。クラッシコが名乗れないなら、国際品種を‥と考えたかどうかは知らないが、国際品種からなるIGTもいくつかリリースしている。そもそも現在のDOCG法なら、サンジョヴェーゼ100%であってもキャンティDOCGを名乗れるのだが、このワインやローザ・ディ・ヴェンティはサンジョヴェーゼ100%ながらそれを名乗らない。もちろん品種だけの規定ではないし、名乗れない事情もあるかもしれないがキャンティDOCGよりも、トスカーナIGTの方が売りやすいとしてあえて名乗っていないのかもしれない(妄想)。で、お家でちゃんと飲んでみる。甘味に曇りがありませんね。クリアな甘味を持つ旨味が舌先から広がります。しっかりと練り込まれた酸味、渋味の分子の一粒ずつに旨味がコーティングされていてスムーズ。ドがつくほど一本気なサンジョヴェーゼ気質で、一杯目からその甘味な旨味とつゆだくだくなジューシーさが旨し、恥ずかし気もなく開いている。揺るぎのない密度があるが重さを感じさせず、飲み飽きないですね。時間を経たからこそのしなやかさがあります。第一次飲み頃のひとつ、ど真ん中。5年、10年後もおいしいはずですが、今、このドンピシャな状態は捨て難い。グラスはオヴァチュアですが、大きすぎないブルゴーニュ型や、ボルドー型でもいいと思います。ワイン単体でそのクリアな甘味を持つサンジョヴェーゼの"素"の味わいを楽しんで頂けますね。すんごい3,000円ぽきーりワイン。サンジョヴェスタなら絶対、今この状態を飲んで欲しい。
タグ:イタリアワイン
これ、とても美味しいです。
濃く感じるのに濃くない、絶妙なタイミングでいただきました。
by riho (2015-03-19 23:06)
rihoさん
それおいしかったですね。
でもなかなか輸入元さんは売れずに終売。
飲むタイミングもあるのかもしれませんね。
おおきに。
by ypsilon (2015-03-20 08:27)