ベナンティ社テイスティングセミナー [ほぼ雑談]
シチリアはエトナの生産者であるベナンティからアントニオさんをお迎えしてのテイスティングセミナーに参加してきました。今年から大人の事情で輸入元が変更になったようです。父と双子兄弟でキリモリされているようで、アントニオさんは初来日。昼間はピエロパンのアンドレアさんにもお会いしたが、アントニオさんも、アンドレアさんもとにかくイケメソで腹立たしい。
- Metodo Classico Brut "Noblesse" NV
メトード・クラッシコ ブリュット ノブレッセ NV
収穫したブドウをアルト・アディジェの生産者の醸造所まで運び、いわゆるシャンパン製法(≒瓶内二次発酵≠シャルマ法)で醸したスプマンテ。ブドウ品種はカリカンテ95%+他。豊かな酸を持ち、輪郭部分にガスを力強く感じます。泡質は粒は揃っていますが決してキメ細かいわけではなく、溶け込みも中程度。果実の余韻は比較的長いが、ガスはそれほどでもない。外側のガスのせいで、やや圧は高めに感じるが、時間経過でストンと抜けそうなスリル(85点)。
- Etna Bianco "Bianco di Caselle" 2011
エトナ・ビアンコ ビアンコ・ディ・カセッレ 2011
この地域特有の火山性土質をヒシヒシ。ミネラルに溢れ、火薬っぽさがありドライ。どこか温泉近くの鍾乳洞で起った発砲事件をイメージさせ、こんなシャブリを飲んだことがある。ピエトラマリーナよりも若干フルーツも感じ、とっつきやすいが柑橘要素もほどほどで甘味なくドライな酒質。全体的にフルーツに乏しくモノクローム。ピストルを撃ちながら牡蠣などと合わせれば食事栄えしそうなタイプではあるが、食事とのアッビナメントを想像し辛いタイプ。だからと言ってワイン単体で飲むタイプでもない(85点)。 - Etna Bianco Superiore "Pietramarina" 2009
エトナ・ビアンコ・スペリオーレ ピエトラマリーナ 2009
さらに、どこかの温泉近くの鍾乳洞を彷彿とさせるミネラルがあり、鍾乳洞という閉鎖的な場所でこいた屁っぽさも。酸味は穏やかに溶け込み、どこか果実は下降気味。とても素性よく、真面目で優等生なんだと思うが、ジャイアンやスネ夫から公園に誘われることもないし、バカなのび太にすら冒険に誘われない出来杉君の様に面白くもないし、親しみやすさもない。エトナを感じるのは確かだが、それが美味しいワインだとは限らない(84点)。
- Nerello Mascalese 2006
ネレッロ・マスカレーゼ 2006
単一品種。混醸のエトナ・ロッソあたりと比較するとネレッロマスカレーゼの素性がよくわかる。アイアンなミネラルと火山性土質という石や岩的なミネラルをしっかりと感じ、果実はマグネットコーティングされているG3仕様。2006年は思えないほどまだ若さもありとても健全。単一品種でもこれだけの複雑さがあるんだから、ネレッロ・マスカレーゼのポテンシャルの高さを感じる(89点)。
- Nerello Cappuccio 2006
ネレッロ・カプッチョ 2006
エトナ・ロッソの副原料として混醸されているネレッロ・カプッチョ単一。実際には混植されているから、混醸になってしまうのがほとんどかと思うが‥。ネレッロ・マスカレーゼとは明らかにキャラクターが違う。とてもチャーミングな甘味のある果実に溢れとても美味。上記ネレッロ・マスカレーゼ単一と同じくまだ若さもあるし、複雑味も十分。とても興味深い一本(89点)。 - Etna Rosso "Rosso di Verzella" 2010
エトナ・ロッソ ロッソ・ディ・ヴェルツェッラ 2010
ヴァルツェッラという区画を中心に混醸されているエトナ・ロッソ。(価格的に)上級クラスと比較すれば、確かに集中力は並だが、ベナンティのエトナ・ロッソとしての「体」は同じで、バランスも良い。2,000円台前半ということでコストパフォーマンスも高い(88点)。 - Etna Rosso "Rovittello" 2007
エトナ・ロッソ ロヴィテッロ 2007
一番火山性土質を感じたエトナ・ロッソで、温泉街で起きた発砲事件の様。ヴェルツェッラよりも二段ほど色味は深く、集中力もある。鉄や血のような硬質な要素もあり複雑ながら、土壌の要素が前に出過ぎで、タンニンも少し厳しい。もう少し親しみやすさが欲しい(88点)。 - Etna Rosso "Serra della Contessa" 2006
エトナ・ロッソ セッラ・デッラ・コンテッサ 2006
プレフィロキセラの樹からのブドウも使用されるベナンティの最上級のエトナ・ロッソ。ロヴィテッロ同様にヴェルツェッラよりも深く、集中力がある。ロヴェテッロほど硝煙反応は感じないが、アイアンなミネラルや血も力強い。土壌が前面に出過ぎることなく果実とのバランスも良い(89点)。
タグ:イタリアワイン
コメント 0