キャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネDOCG(以下CCGS)は2014年に制定された最上位のカテゴリーです。アンティノリからは2008年まではキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ(以下CCR)を名乗っていたバディア・ア・パッシャーノが2009年よりCCGSを名乗ることになりました。
個人的にバディア・ア・パッシャーノは以前から好きな銘柄だったのですが、2000年頃までの(たぶん)スイス造幣局だったかが印刷した紙幣っぽいラベルの方がよかったんだけどなあ。見た目は非常に大事です。
さて、CCGSは収穫の翌年1月1日から起算して30ヶ月(うち、瓶内熟成3ヶ月)の熟成期間が規定されています。よって2010年が収穫年なら2011年の元旦から30ヶ月だから2014年の5月末日で30ヶ月をクリアするわけです。
2014年に制定されているので、2010年ビンテージのワインからこのCCGSを名乗るワインが大半ですが、さらに熟成期間が長く、その他モロモロの規定も満たしている銘柄だと2010年より前のビンテージがCCGSとしてリリースされる可能性もあり、このワインはそんなワインのひとつ。
このワインは2009年ビンテージですがCCGSを名乗ります。アンティノリの公式サイトでは225から300リットルのハンガリー産の樽(一部フランス産)で14ヶ月の樽熟成後、区画別に熟成した樽達をバッティングし、瓶詰。瓶熟成期間は16ヶ月となり合計30ヶ月の規定を満たします。
2008年は瓶熟成期間が12ヶ月の記載。つまり4ヶ月短いので規定に満たないか?とするとそれはそうとも言えない。樽ではなく瓶熟成期間に関しては、要はリリースさえしなければ蔵で保管する=瓶熟成期間は伸びるわけですからね。
となると2009年を合計30ヶ月熟成させると瓶熟成期間が終わった2013年半ばのリリースとなりますが、2014年の制定に合わせてCCGSを名乗るようにリリース時期を遅らせる調節をしたのかもしれませんね。ということは、この2009年に限っては実際の瓶熟成期間はさらに長いということになるかもしれません。リリースさえ2014年にすれば規定を満たし、施行されるCCGSを名乗れるのですからそういうタイミングにしたのでしょう。
嬉しいことにCCRからCCGSにクラスとしてはランクアップとなるのでしょうが、決してアンティノリとしては、だから特別なことをした‥わけではないのか、価格は同じなんですね。