Montepulciano d'Abruzzo 2017 Caldora [毒味または晩酌]
Montepulciano d'Abruzzo 2017 Caldora
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2017 カルドーラ
先日頂いた鹿は美作鹿(みまさかしか)だそうです。
今回は、ふたつの部位をオーブンでローストに(モトカノがしました)。
鹿らしさはあるが、臭みはまったくない。やわらかくしっとりと仕上がってておいしい。
ちなみに、右上のオレンジ色の物体は、切り干し大根のナポリタンです。
ワインは、個人的にボトルで飲むなんて超久々のモンテプルチアーノ・ダブルッツォ(以下モンプル)を。
自然派とかぬけぬけぬかすワイン達と同様、かつ対極的にあたしだって工業的なワインは好まない。つまり両極端なワインはどっちも嫌いなわけです。
で、世のモンプルの大半はあまりにも工業的。低価格帯も中価格帯もイチゴかブルーベリーのジャム入れたやろ?着色料も入ってんのか?どうやって濃縮したんや?その樽香は香料か?というサイボーグワインが多いからなんですね。でも、世の中、そういうのがウケる。いいワインかどうかは別として、それをおいしいと思うのも実は理解してる。だって、あたしも始めはそうだったから。それを理解した上、ウケる味に調整したワインがゴマンとあるわけだ。
上代で2,500円以下、実勢価格で2,000円以下あたりは、ほんと難しい。マーケティングの産物であってもそれそれでいんだけども(生産者も商売やからな)、でも、あまりにも「作った味」はいただけない。モンプルはほんと難儀なワイン。ちなみに、だからといってヴァレンティーニも好まない。
妥協の末に選ばれたものになるのだが、どこまで許せるかが自分自身との戦いである。
で、カルドーラのモンプル。無理な濃縮や、(樽熟成してるかどうかは別として)樽香のような何かもない。いい意味で肩透かし、真っ当なミディアムボディ。ただ、そう気にならないが少し薬品的なニュアンスと、香味の閉じ。モンプルらしいふんだんなミックスベリーのフルーティーさも控えめ。ザルトのユニバーサルよりも、オヴァチュアあたりの方が似合うので、飲食店さんでのグラスは低価格のボトルにはいいのかもしれません。
妥協点はあるんだけれども、まあ、価格を考えるとこれはこれで‥となるし、無理に低価格帯のワインを揃える必要もなかろうという、そもそもの問題に突き当たる。
やっぱり低価格帯のワインを選ぶのは難しい。
選び甲斐もあるんだけども。
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